Activity Report
N-1SUMMIT2018 開催レポート
3月5日にN-1SUMMIT2018を開催いたしました!N-1SUMMITは、将来の農業界を背負って立ち、誇りを持って農業に取り組む人たちが集う農業界最大のイベントです。オイシックスドット大地が事務局を務め、今年で9回目の開催となりました。毎年農業にまつわる様々なテーマを設定し、有識者の方によるご講演や分科会などを通して、知識を共有し、日本の農業のこれからについて皆さまとともに考えを深められる場を目指しています。当日は300名を超える皆さまにご参加いただきました。
N-1SUMMIT2018 テーマ
今年は、テーマを「農業の未来は流通変革にあり! ~生産者が考える、新しい農産物の「届け方」~」と題し、物流コストの値上がりや卸売市場法の改正など、農業においても昨今変化の激しい「流通・物流」分野に着目したプログラムをお届けしました。これからの「農産品流通」はどうあるべきか、また今後の変革を見据えて私たちがとるべき行動は何なのかを考える1日としました。
農林水産省よりご挨拶
それでは今年実施したコンテンツを順にご紹介いたします!
まず始めに、ご後援をいただいております農林水産省より、大臣官房審議官・丸山雅章様にお越しいただき、ご挨拶を頂きました。今回のN-1SUMMITのテーマをふまえ「農業者・消費者双方のメリットが向上する食品流通構造を確立する契機となることを(このイベントに)期待している」というお言葉をいただきました。
講演
次に、株式会社日本総合研究所の三輪様より、日本の農産物の流通の現状や、今国会で審議される見通しの「卸売市場法」の改正について解説をいただきました。三輪様は、現在の農産物流通における「情報流」の重要性を説明。SNSの発達等により消費者とのダイレクトなコミュニケーションが可能になった今、消費者ニーズをとらえた商品を提供すること、農産物の持つ「ストーリー=価値」を消費者に伝えていくことが求められると述べられました。
<講師>
株式会社日本総合研究所 創発戦略センター シニアスペシャリスト 三輪 泰史 様
ピッチセッション ~これからの農業を支える物流~
次に行ったのは、「ピッチセッション ~これからの農業を支える物流~」。物流課題の解決に取り組む3組の方にご登壇いただき、事例のご紹介をいただきました。島根県の農家8軒が海産物の輸送業者の築地市場への定期便を共同活用して物流コストを削減した事例や、岐阜・高山から東京への高速バスで農産物を貨客混載で輸送している事例などが紹介されました。物流コストに課題を抱えている生産者も多く「他の方の具体的な取り組みを聞けて参考になった」という感想も聞かれました。
<プレゼンテーター>
・「高速バスの貨客混載による農産物販路拡大」
京王電鉄株式会社 戦略推進本部 嶌田 智仁 様
・「物流一本化による物流コスト削減への取り組み」
~有機農産物の物流上の課題解決に向けたモデル実証プロジェクト報告~
有限会社やさか共同農場 代表取締役 佐藤 大輔 様
・「ベジネコプロジェクト:農産品物流の課題解決に向けた共同研究」
ヤマト運輸株式会社 法人営業部長 秋山 佳子 様
オイシックスドット大地株式会社 配送本部 阪下 利久
パネルディスカッション ~農産品の流通に市場は必要か~
続いて「パネルディスカッション」を行いました。生産者、農業ベンチャー、市場関係者という異なる立場から、卸売市場の必要性や、農産物流通の変化などについて意見を交わしていただきました。卸売市場法改正による規制緩和により、民営市場の登場・民間企業との協業が進み、地域ごとのニーズに応じて市場の役割は多様に変化していくのではないか、という議論がなされました。
<モデレーター>
株式会社日本総合研究所 創発戦略センター シニアスペシャリスト 三輪 泰史 様
<パネリスト>
農事組合法人さんぶ野菜ネットワーク 事務局長兼常勤理事 下山 久信 様
株式会社農業総合研究所 取締役副社長 COO 堀内 寛 様
長野県連合青果株式会社 佐久支社 支社長 吉崎 岳 様
農産物の付加価値とは何か?消費者がガチ評価
次に、「農産物の付加価値とは何か?消費者がガチ評価」と題して、実際に野菜を購入されている方がどのような考えで野菜を選んでいらっしゃるか、生の声を聞く機会を設けました。消費者の皆さまからは「(ブロッコリーの)茎も食べたいから、そのやわらかさやフレッシュさも重視する」「生産者の作り方や思いも参考にして、買うものを決める」といった意見がありました。参加した生産者からは「消費者の生の声を聞くことができ、勉強になった」という声が聞かれました。
会場アンケート
最後に行ったのは「会場アンケート」。来場した農業従事者を対象にその場でアンケートを実施しました。日本の農業界が直面する変化を前向きに捉える人が多いことが見受けられました。
・日本の農業の未来は明るいと思う 思う→71.4% 思わない→28.6%
・もっと市場は改革されていくべきだと思う そう思う→69.5% そう思わない→29.3%
・農産品の輸出をしている、もしくは輸出への意欲がある 62.8%
最後に
ご参加いただいた生産者からも「たくさんのお話を聞けて勉強になった」「『また次の1年頑張ろう!』と思えた」という声が聞かれました。今後も大きな変化が予想される、農産品流通。注目をし続け、変化をチャンスにしていくことが必要だと改めて感じました。
これからもオイシックスドット大地は、農業界を盛り上げるためのイベントを実施していきますので、ぜひご注目くださいね。