Activity Report
古着回収2020秋・冬のご報告&現地レポート
使わなくなった古着を皆さんに送っていただくことで、パキスタンのスラムの子どもたちが学校で学ぶ機会を得られる「古着回収」。2020秋・冬に行われた古着回収のご報告です。また、いまだ感染が止まらない新型コロナウイルス感染症が、その子どもたちの学校生活にどのような影響をもたらしているのかもレポートします。
古着を送り、パキスタンのスラムの子どもたちを学校へ
オイシックス・ラ・大地はNPO法人JFSA(日本ファイバーリサイクル連帯協議会)(千葉県千葉市)と協力して古着回収活動を行っており、夏・秋・冬の年3回、皆さんに古着回収を呼びかけています。皆さんの古着はJFSAに届き、選別後、パキスタンへ。現地で販売された古着の売上金は、パキスタンのスラムにある無料の学校「アル・カイールアカデミー」の運営に充てられます。
1987年にこの学校を設立したのは、現・校長のムザヒル先生です。ムザヒル先生は大学在学中からスラムの子どもたちに教科書を無料で配布するボランティアに参加していましたが、スラム地域ではインフラや勉強ができる環境自体が整っておらず、学校そのものの必要性を感じていました。そこで、ゴミ捨て場にバラックを作り、10人の生徒とともに学校をスタートさせたのです。
パキスタンの識字率は約60%(※)。世界各国と比べても低く、また貧困問題も課題の一つとされています。貧しさのために親が子どもを学校に行かせず、単純労働を強いたり、子ども自らが学校に行くことを諦めて働きに出たりするという負の連鎖があります。学校教育を受けることで、読み書きや計算、生活に必要な知識を学び、さまざまな職業に就けるようになる可能性が広がるのです。自宅で眠る古着が、約6,000キロ離れた国の子どもたちの未来をつくる、大きな力になります。
※外務省「国・地域基礎データ」
多くの古着が集まりました!ご協力ありがとうございました
「古着回収2020秋・冬」では、下記の通り多くの古着が集まりました。ご協力を誠にありがとうございました。選別した古着の一部は、日本から送り出し、パキスタンのカラチ港に無事に到着しました。
■2020秋(2020年10~12月)
●回収量:12トン659.6キロ
●参加人数:1,759名
・カラチ港到着:2021年3月19日
■2020冬(2021年1~3月)
●回収量:6トン559.1キロ
●参加人数:922名
・カラチ港到着:2021年4月29日
※オイシックス・ラ・大地のブランドでの合計数量
新型コロナウイルス感染症の影響で、授業再開から再び休校へ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて行われた政府のロックダウンにより、休校していたアル・カイールアカデミーでは、2020年9月半ばに授業が再開されました。高学年の生徒は通常の授業が行われましたが、中・低学年の生徒は政府の要請を受けて、「月・水・金」または「火・木・土」のそれぞれで生徒が交代で通うことで、1日あたりの登校者数を約50%に減らして授業を行ってきました。
そして2021年4月26日、最近の感染者数の増加を受けて、カラチのあるシンド州政府が新たなる感染対策の実施を決め、教育施設にも要請がありました。アル・カイールアカデミーは、一部の高学年以外は休校とすることにしました。一部の高学年は進学に向けたテストも多く、どうしても登校して学習する必要があると判断したためです。これまで同様に、学校ではマスクの着用などの感染予防対策を講じています。休校となった生徒には、以前の休校の時と同様に宿題を出すなどの対応を考えていますが、休校が長期化することも視野に入れ、新たな対策をこれから検討しようとしています。
もうすぐ始まります! 次回の古着回収は6・7月です
梅雨も始まり、衣替えの季節がやってきました。おうちで眠っている古着はありませんか? 次回の古着回収がそろそろ始まります。ご協力どうぞよろしくお願いいたします!
次回の古着回収の詳細は、こちらをご覧ください。