Activity Report
9/28二本松有機農業研究会ソーラーシェアリング見学
いざ見学へ!
太陽光発電と農業の共存を目的とした“ソーラーシェアリング“の現状を知り、今後の自然エネルギー普及の一助となるものなのかを模索するために、見学会を実施
畑のソーラーパネル
ソーラーシェアリングとは、太陽光発電のパネルの下で農作物の栽培をし、作物と電気の両方の収入が得られるという、土地を有効活動した取り組みです。約2反(1998m²)の大豆畑の上に990枚のパネルが並び天気のよい日であれば、9900wの電気を産み出し、大豆の収穫は140kg程度を見込んでいるとのこと。
こちらが完成したのは、2018年8月。「これまでエネルギー問題に無関心だったことが福島事故を起こした。これからは農業だけでなくエネルギーでも自立したい」という思いから。
完成までの経緯などは、こちらをどうぞ
⇒⇒フルーツバスケットのエビちゃん日記「あんしんはしんどい」
二本松にソーラーシェアリング完成
http://www.fruitbasket.jp/blog/?p=5233
大内さんに聞いてみた
見学後の座談会では、大内さんより資金調達から、売電状況のお話をうかがい、ソーラーシェアリングのメリット、デメリットが見えてきました。
《メリット》
●電気の発電と農作物の栽培が同土地でできる。
●建設後は、バイオマス発電のように毎日の手間がかからず、何もせずとも電気を産み出す。→売電収入を得られる。
●野建て(山や野原、耕作放棄地などにソーラーパネルを建設すること)に比べ、景観を損なわない。農地の有効活用ができる。
《デメリット》
●建設コストがかかる。→個人では、20年以上営農するのか不明なため、法人でないと融資が受けられないことが多い。
●ソーラーパネルが寿命となった時、リサイクルするための技術がまだないため、産業廃棄物となる。20年程度は最低でも使えるものなので、その間にリサイクル技術が開発される可能性はある。
●FIT制度(固定価格買い取り制度)による買取り価格(=売電価格)が下がっている。大内さんが申請した2015年頃と比べ、売電価格は現在半額程度。これから建設するとなると償却までに更に時間がかかり、利益を確保するのが難しい状況になっているとのこと。
見学を終えてみて
見学会により、エネルギー供給への取り組みは、地域でのコミュニケーションや理解がとても重要であること。現在の日本では、ソーラーシェアリングが、エネルギー問題、食糧問題や環境問題の解決策に役立つ事業のひとつとして有効ではないかという点が確認できました。今後、大エネとしてソーラーシェアリングが、 他の生産者へ横展開が可能か、可能な場合の手法など、 更に学びを深め検討していきたいと考えています。