Activity Report
モニタリング&放流しました!
2020年10月16日に福岡県の須江川に設置している石倉かごをモニタリングし、100匹の稚ウナギの放流を行ってきました。
モニタリング調査は、うなぎを研究している九州大学特任教授の望岡先生と、同研究室の学生のみなさんが中心に行っています。
場所は福岡市東区の須江川の汽水域。今回はこれまで設置した石倉かごのモニタリング、そして配合餌料を使用せず、天然のウナギが好んで食べているユスリカの幼虫で育てた稚魚の放流をしてきました。
■うなぎが9匹見つかりました!
今回のモニタリングで見つかったうなぎは合計9匹で全長は12.2 cm 〜 47.0 cmでした。
個体差はあるもののみんな元気そうです。
そのうち1匹はICタグ付きのうなぎ。昨年の9月に石倉かごで見つけたうなぎでその時の全長は38 cm、体重は68 g、今回は約47cm、161 gと大きく成長しています。他の8匹は新しいうなぎ。
1匹は、銀うなぎまで育った全長43 cmのオスのうなぎでした。秋から冬に約2,500キロ離れた産卵場のマリアナ海域へ旅だったことと思います。マリアナ海域に向かったうなぎは、産卵後、その周辺で命を終えます。そのため、このうなぎにはICタグをつけずに放流しました。
あとの7匹のうち5匹には、ICタグを入れ、残りの2匹は15 cm以下で、ICタグを装着するにはサイズが満たないのでタグを入れずに放流しました。
■うなぎにとってよい環境
2019年に引き続き、うなぎが確認できているのは、この場所が住みやすい環境と言えます。
また、今回あえて約1年間、メンテナンスをせずに様子を見ましたが、昨年と同様の結果が得られたということは、須恵川では1年間、メンテナンスをしなくても石倉かごはうなぎの隠れ家としての機能を持ち続けていることがわかりました。
■100匹の稚魚を放流しました!
体重0.5〜2 gまで育てた100匹の稚魚を放流。河川におけるこのサイズの放流試験ははじめての試みです。サイズは約10㎝。このサイズに育つまでに約半年もかかっています。
放流の直前に、識別するためのマイクロワイヤータグと蛍光入れ墨の標識をつけます。
次回のモニタリングで成長した姿を見せてくれることを願いつつ、川へ放流しました。
■2020年度の寄付金額
2020年に集まった寄付金額は総額794,850円(2020年4月1日〜2021年3月31日)。
ご協力いただいた皆さま、ありがとうございました。
是非今後とも応援をよろしくお願いいたします。