Oisixでは、いま私たちにできる地球環境のための取り組みを進めながら、次世代とともにアクションを起こす取り組み「Oisix×次世代 “これからの食”学び場プロジェクト」を行っています。
小・中学生をメインにフードロスの出前授業を行い、子どもたちが主体となってアイデアを考え、大人たちの心を動かし、社会に変化をもたらす仕組みを目指しています。
今回は、都内で開催された最先端のテクノロジーやアイデアの国際イベント「SusHi Tech Tokyo 2024(スシテック東京)」にて、こども発明教室「フードロスのない世界を発明しよう!」を開講しました。
今回はその一連の取り組みをご紹介します!
今年のテーマは「海のフードロス削減」!
今回は小学3・4年生を対象に、フードロス問題への意識を高め、こどもたちが主体となってアイデアやアクションを考える約1時間のプログラムを行いました。
8日間で全10回の授業を実施し、合計162人が参加しました。
はじめに、「アップサイクルスナック実食クイズ」で、フードロスの実感をつくります。
「今から食べるスナックには、ある海の食べものが入っています。それは何でしょう?」
匂いを嗅いだり、じっと観察して考えます。
「わかめみたいな味がする」と、大正解!
そして、今食べたこのわかめは、普段は「ある理由」があって棄てられてしまっているんです。
「えぇ!?」と声が上がります。
では、なぜこのわかめが棄てられてしまうのでしょうか。実際に触って、自分たちで考えてみます。
初めて触る「生のわかめ」を、光に透かしてみたり、撫でてみたり。
「ざらざらしてるから?」「色が悪いから?」など様々な意見が出ました。
正解は、三陸わかめ漁師の阿部勝太さんから動画で教えてもらいます。
ほとんどのこどもたちが生産者の話を聞くのは初めてだそうで、真剣に画面を見つめます。
このわかめが棄てられてしまう理由は「穴があいているから」。
国産わかめの85%を占めている三陸のわかめですが、近年小さな穴があいてしまう比率が増えており、味や栄養には問題ないのですが、見た目が理由で流通ができないものも発生しています。
穴あきわかめは消費者になかなか知られていないので、どうしても見た目の問題からクレームになるリスクがあり、取り除かざるを得ない現状があります。
今回こどもたちに実食してもらったのは、そんな穴あきわかめをアップサイクルしたOisixのオリジナル商品「国産穴あきわかめの玄米スナック」です。
漁師さんからの動画を見て、子どもたちからは「穴があいててもおいしい」「もったいない」という意見が出ました。
そういった、食べられるのに棄てられてしまっている食べものを「フードロス」、それを新しい商品へと生まれ変わらせることを「アップサイクル」と言うことを学びました。
他にも、
・日本では、毎日一人当たりお茶碗一杯分の食べものが捨てられていること
・世界では、生産された食べものの約1/3が捨てられていること
・そんな中で、食べものを十分に食べられずにお腹が空いて困っている人たちがいること
などをクイズ形式で学び、それに対して自分はどう思うのかを、みんなで考えていきました。
実践ワークでは、そんなフードロスを自分たちで少しでも減らせるような「おたすけルール」を考えていきます。
グループで3文字の食べものを決めて、その頭文字から始まるフードロス削減のアクションを考えていきます。
さっそく、今日覚えた学びを活かして「世界の食事情を知ろう」「ロスをなくそう」と考えたチームもありました。
他にも「嫌いなものをなるべく買わない」「バナナは黒くなる前に食べる」「いただきますをしっかり言う」など、普段の生活で自分ができることを考えていきます。
今日まで知らなかったフードロス問題に対して、新たな意識が生まれ、小さなことでも解決に繋がることを理解したこどもたちからは、様々なアイデアが出てきます。
グループでまとめた「おたすけルール」を、みんなの前で一つずつ発表します。
少し恥ずかしいけど誇らしげな姿は、自分で考えたことを声に出して発表するという貴重な経験の証でした。
他のグループのアイデアを聞くことで、より深くフードロス削減について学びを広げていきます。
SusHi Tech TokyoでSDGsメニューなどを出展していた忍岡高校生活科学科の学生たちも参加してくれました!
親御さんたちも、しっかり見守ります。
そして、今回考えたおたすけルールを普段の生活で実践できるように「フードロスおたすけカレンダー」にして持って帰ります。
最後に、修了証と穴あきわかめスナックを貰って、プログラムは終了しました。
授業に参加したこどもたちからは「楽しかった」という声がとても多く、前向きな姿勢で社会課題に向き合うことができました。
「もっと感謝したいと思った」「食べものを残したくなくなった」「見た目で、良い・ダメと判断しない」など、フードロス問題に対する意識の変化も伺えました。
実際に今回参加した88%のこどもたちが、フードロスに対する気持ちが変わったと答えてくれていて、「またこういう機会に、こういった世界の問題の授業をやってほしい。」という要望もありました。
親御さんからは、こどもたちが自分ごととして社会課題を理解できたことに満足のお声を頂きました。
・「小さいころからこのような機会が増えるとフードロスが減ると思ったので、引き続きこのようなイベントを続けてほしい」
・「食べ残しがどうしてよくないのか、こどもたちが理由を理解できてよかったです。」
・「すごく大切なことなのに、家庭でなかなか話し合ったりできないフードロスについて、これから考えて行動できるようになっていけたらと思いました。きっかけ作りとなり、参加できてよかったです。」
また、こどもたちだけでなく自身の新たな発見にも繋がったというお声も頂きました。
実際に95%以上の方が、環境に配慮した食生活や暮らしへの意識に変化があったとお答えいただきました。
・「フードロスの取り組みに、興味を持ちました。こどもと一緒に頑張ろうと思います。」
・「家庭でのフードロスについて問いかけるシーンでは、親もドキッとしました。自分ごととして考えているか改めて考えさせられました。」
・「子どもたちに、未来ある地球環境を残せるよう取り組みたいと思いました。」
実際にフードロスは、地球温暖化や世界の飢餓問題において深刻な社会問題です。
しかし、私たち一人一人が意識を変えることで解決できる問題でもあります。
今回、フードロスの現状を五感で体感したり、実際に生産者の声を聞くことで、こどもたちが自分ごととして問題を捉えるきっかけとなりました。
この授業を通して気づいた違和感や発見が、普段の生活に少しでも影響をもたらすことを願っています。
穴あきわかめなどのフードロスをテーマにした特別授業は、中学校でも行っています!
Oisixはこれからも次世代といっしょに明るい食の未来に向かって、次世代の考えるアイデアやアクションが社会に大きな変化をもたらすことを願って、活動してまいります!
今後の取り組みにも乞うご期待ください!