「規格外やさい」をテーマにしたフードロス特別授業を開催

Oisixでは、いま私たちにできる地球環境のための活動を進めながら、次世代とともにアクションを起こしていく「Oisix×次世代 “これからの食 ”学び場プロジェクト」を行っています。

今回は、プロジェクト発足時から、3年連続で特別授業を開催している東京農業大学稲花小学校(東京都 世田谷区)にて実施した特別授業の様子をご紹介します。

✳︎東京農業大学稲花小学校は2019年4月に開校した小学校で、「冒険心の育成」を教育理念に掲げ、生き物や食、環境といった身近なテーマを専門的に追究する研究設備を多数備える東京農業大学に隣接する立地を活かした多様な体験型学習を実践しており、特に「食育」に力を入れている学校です。

今年のテーマは「畑のフードロス」

毎年、食育活動に力を入れている稲花小学校。

今年の4年生は、畑などの生産現場へ行く機会も多かったとのことで、「形や色がふぞろいで規格外となってしまうやさい:畑のフードロス」をテーマに、特別授業を開催しました。今回題材にした規格外やさいは「色付きがまばらなカメレオンパプリカ」と「まがりきゅうり」。さて、どんな授業が開催されたのでしょうか…?

【1週目の授業:フードロスってどんなもの…?】

初回授業は、アップサイクルスナックの試食クイズからスタート。講師から「実はこれ、もともとは捨てられてしまった食材から出来ています。それはいったいどんな食材でしょう?」という問いに、においを嗅いだり、じっくり見つめたり、こどもたちは真剣な表情。

工夫をすればおいしく食べられる食材も捨てられてしまっているという現状に、「見た目が理由で捨てられてしまうなんてもったいない」「すごくおいしかったのに!」など、こどもたちの素直な感想がたくさん挙がりました。

さらに、日本や世界のフードロスについてより理解を深めてもらうために、クイズ形式での学びを実施。世界でつくられる食料の3分の1は捨てられていることや、なぜフードロスが良くないのかを、それぞれの意見を交わしながら理解を深めました。

そして、授業の最後には「色付きがまばらなことが理由で規格外として捨てられてしまうパプリカ」に新しいネーミングをつけきてもらう特別ホームワークをオーダー。家庭で実践しているフードロスを減らす工夫とともに、次週の授業でクラスの皆に発表してもらえるように、お家の人とフードロスについて考えるワークを取り入れました。

【2週目の授業:規格外やさいに名前をつけてみよう!】

2週目の授業は、先週オーダーした特別ホームワークの発表からスタート。

色付きがまばらなパプリカに対して「マーブルパプリカ」「個性たっぷりパプリカ」「メロンパプリカ」といったこどもたちならではのユニークな名前がたくさん挙がりました。「こんな名前だったら捨てられずにおいしく感じそうだね!」と、名前を工夫するだけでも、世の中からフードロスが減らせそうなことを、身をもって実感してもらいました。

そもそもなぜこうした「色付きがまばらなパプリカ」や「形がいびつな野菜:曲がりきゅうり」が生まれてしまうのか。さらに理解を深めてもらうために、実際に農家さんからお話を聞いてみました。

「カメレオンパプリカは、温暖化の影響で茎が伸びるのが早くなり収穫サイクルが変わってしまったために、色が真っ赤や黄色に変わる前に収穫せざるをえなかったパプリカです。色はバラバラだけど味は変わらずおいしいので、ぜひ味わってほしい。」 「きゅうりは、植え付けから時がたてばたつほど、自然とまがった形のきゅうりができやすくなってしまう。でもトゲトゲが生えていて新鮮なものはどんな形であっても個性のひとつなので、ぜひみんなにもトライしてほしい」といった農家さんからのメッセージを、真剣に聞いているこどもたちの姿が印象的でした。

授業の後半では、各ご家庭で取り組んでいるフードロスを減らす工夫を共有しあいながら、グループで「やさいを頭文字にしたフードロスおたすけルール」を考案。

お友達の家庭で取り組んでいる「冷蔵庫には賞味期限を前から見えるようにして食材を置いている」「買い物リストをつくって買いすぎないようにしている」など、周りの意見も参考にしながら、4年生ならではのユニークさに溢れる様々なルールが誕生していました。

お家でも忘れずにフードロスを減らす取り組みを実践できるよう、特製カレンダーを配布し、考えたルールを書き写してもらいました。より一層フードロス削減に向けてやる気満々の様子で特別授業は終了しました。

【保護者の方からはこんなお声も…!】

今回の授業では、保護者の方々にも簡単なアンケートをお願いして、普段のご家庭でのフードロスに対する取り組みや意識をお聞きしました。その結果、「特別授業やお子様からのお話を通じて、環境に配慮した食生活や暮らしを今後積極的にしていきたい」と回答した率が94.3%と、授業を通じて、ご家庭にも良い影響があったことがわかりました。

また「規格外野菜やフードロスをなくすアレンジお菓子など、こどもにもわかりやすい授業をしてくださって、親子共にフードロスについて考える良い機会になりました」「こどもには毎日の食事を漫然ととるのではなく、誰が作り、どのような流通で食卓に並んでいるのか、またその流れの中にどういった課題や取り組みがあるのかということを考えて欲しいと考えています、応援しています」といったコメントを頂くなど、フードロスや食のサステナビリティについて考えるきっかけをより一層増やしていく重要性が感じられました。

Oisixではこれからも、次世代とそのご家族も一緒に、明るい食の未来を考えるきっかけづくりに励んでいきます。

今後の取り組みにも、乞うご期待ください!